<超微細レーザー加工コラム第2弾>レーザー微細加工:薄膜加工
コラム
2019.09.20
弊社は、お客様からのご依頼で様々な材料に超短パルスレーザーで微細加工を行っています。
非常に薄い材料(薄膜)への加工依頼も多数寄せられています。材料としては、SUS・Ti・Ni・Au・Cu・Ta・PET・ポリイミド等です。材料の厚さは50μm以下で髪の毛の直径よりも薄いです。
これらの素材への穴加工・カッティング・スリット加工等を可能にしているのは、超短パルスレーザーです。ピコ秒(10の-12乗)やフェムト秒(10の-15乗)オーダーの短時間で発振しているレーザー光をΦ20μm以下のスポットに集光するため照射部は蒸発し熱が周囲に伝わる前に反応が終了します。
このため熱影響を受けやすい薄膜でもレーザーで微細な加工が出来ます。
また、弊社加工機には照射開始部と終了部での加減速時に過剰照射とならない様に等間隔で照射する機能を備えており、高品質な微細加工が提供可能です。
薄膜加工には、レーザー光源をはじめとした加工機の性能も重要だが、最適な加工条件を探す工程も非常に重要です。
<図1>
図1には、20μm厚のSUS薄膜をレーザーカッティングした例を示しました。低倍率では埃の様に見えるが、高倍率では100μmの凹凸が形成されています。
<図2>
図2は図1の拡大図です。細長い冊状の切り出しに加え、0.1mm幅の凹部が加工されています。 金型ではめくれてしまうような加工の難しい薄膜ですが、超短パルスレーザーでは微細加工が綺麗に仕上がります。
<図3>
図3には20μm厚のNiへのスリット加工(ピッチ10μm)の例を示しました。
また、いつも悩ましいのは薄膜の固定方法やハンドリングです。お客様からご依頼頂くワークには残留応力が強いものもあり、加工中にワークが反ってしまい失敗なんてこともありました。